松岡皮革の歴史

創業より六十年

1953年(昭和23年)、全国有数の高級皮革の産地として名高い、兵庫県たつの市神岡町沢田にて皮革一時製品(なめし革)加工を始める。
(天日干しに適した温暖で降水量の少ない気候揖保川・林田川からの豊かな水量と穏やかな水流・原皮の保存や処理に必要な塩の入手 革づくりに重要な要素に恵まれたこの地では革鞣しが江戸時代後期より続いている。)
依頼された仕上がりを目指して事細かに思考し、妥協のない姿勢で希望を忠実に再現する。 同業他社に少ないエゾ鹿や子牛などからの製品も製造しており、平成15年より二次製品である手袋や鞄等の革製品づくり、 平成25年より希少な国産カーフ(子牛)を使用した財布やクラッチバッグなどの開発に取り組んでいる。

伝統と新技術

 創業より六十年を超える松岡皮革 伝統の技術を踏まえながら、新しい技術開発にも積極的に取り組み、様々なデザインや機能性 の高い商品づくりを得意としている。その情熱と洗練されたレシピ、新しい試みへの向上心は 確実に次世代の担い手へと引き継がれている。工場の皆が一枚岩となって紡ぎだされる「革」 は、革好きの人々をはじめ多くのお客様に信用されている。工場の中で行われる作業はもちろ ん、工場の外へ出す作業に関しても「おまかせ」にすることはなく、事細かに注文するスタンス や、常に世の中に生み出される革製品に注意を配り、素早く、途切れることなく、国内外の様 々な需要に柔軟に対応してきた。 メイド・イン・ジャパンのものづくりが世界的に見直されている昨今だからではなく、昔から ただひたすらにタンナーという仕事を全うしている松岡皮革だからこそ、「革なめし」を以て 人事を尽くせるのである。

綿のような革

松岡皮革は「柔らかさ」を追求した鞣しを特に強みとしており、 門外不出のレシピで仕上げられたその柔らかさはまるで綿入りの ように思わせられる。ソフト革の専用タンナーたる呼び名も高い。